ファッションと映画の関係 #17 -汚れた血-

汚れた血(1986)


これはもうファッション的にも内容的にも好きすぎて愛しちゃってる作品の一つ。
レオスカラックス監督による、ボーイ・ミーツ・ガールからはじまりポンヌフの恋人へとつづく通称アレックス3部作の第2弾でありフランス映画史に残る傑作。

カラックスにとっては実は長編では初のカラー作品でもありました。
思春期の痛みや孤独、報われることのない愛、そして自由への無限大の渇望を、愛の疾走感の中に刻み付けるように力強く描いた作品で、何度観ても胸が熱くなり涙してしまう・・・。
デヴィット・ボウイによる"MODERN LOVE"が流れる中深夜のパリの街を疾走するアレックスのシーンはあまりにも有名。まさに無軌道な疾走感に漂う快作である。

カラックスによる感覚主義的な映像美が遺憾なく発揮された作品であり、フランスの色であるブルー・レッド・ホワイトが衣装やセットにまで意図的に多用されており、そのアーティスティックな映像美は必見である。
特に夜のパリの色彩表現を徹底する為にカメラマンのジャン・イヴ・エスコフィエと緻密なテストを繰り返し行い、美しさを追求する監督の完璧主義に応えるべく、機材の選択にも尋常でない時間と手間をかけそのために大変な準備期間を余儀なくされたそうだ。

















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