ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男






 大好きなドリスの映画、公開が決まってからずっと楽しみにしていたのをようやく観れた。
冒頭、ファッションという言葉が嫌いだと話していた。
数ヶ月後も別の着方が出来る服。半年で飽きない服。持ち主と一緒に成長していける服。普段着でリラックスして着られる服。映画の中でドリスが語っている自身が追求して作りつづけている服だ。
日本でも完全にファストファッションの時代になっている。手軽でお洒落な服が買えるからと、1シーズン使い捨てでその時の気分だけで買い、飽きたら捨てるのが当たり前になっている。もちろん最新のデザインが手軽に着れるスピード感などの良さもある。でもそれでは何も残らない。一生懸命稼いだお金でゴミを買っているのと同じだ。それはとても虚しいことだと思う。
良い物を大切にしたい。大切にしたいと思う大好きな物に囲まれて生活がしたい。多少高くても気に入ったものしか求めなくない。作り手が心を込めて生み出した物を消費する側の自分も心を込めて大切に扱いたい。
庭園で咲きこぼれる花たちの豊かな色彩と、あまりにも美しい部屋のインテリア、ドリス自身が活ける花や美しい花器、そして食事。これらに囲まれることなくして(この庭とインテリアだけでも絶対にこの映画を見る価値がある)あのような洋服は生まれないんじゃないだろうか。つまり、仕事も私生活も手を抜かない姿勢。こだわりを持って細部まで気を使う。ドリスの完璧主義っぷりは到底自分は真似出来ないけれど、自分の感性を信じ、それを我が道だと貫き通す姿勢は何をしてても大事だなと思わされ、あらためて勉強になった。
あと生活がエレガントすぎて最高にカッコよかった。摘みたてのお花を入れる籠なども素敵すぎた。真似したい。



評価★★★★★★★★☆☆(8/10)





























































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