陰影礼賛



谷崎潤一郎の1933年の随筆。恐らく海外で最も読まれている日本の本のひとつでもあると思います。
もともと日本人本来あったはずの美意識というものをこの本からたくさんの事を学ぶ事ができました。

まだ電灯がなかった時代の今日と違った美の感覚を論じたものであり、こうした時代西洋では可能な限り部屋を明るくし、陰翳を消す事に執着したが、日本ではむしろ陰翳を認め、それを利用する事で陰翳の中でこそ生える芸術を作り上げたのであり、それこそが日本古来の芸術の特徴だと本書では主張しています。
こうした主張のもと、建築、照明、紙、食器、食べ物、化粧、能や歌舞伎の衣装など、多岐にわたって陰翳の考察がなされています。




髪を形と色で表現することが自分の仕事です。
谷崎もそうですが多くの美意識を兼ね備えた先人から学ぶことは沢山あります。
美容室という仕事場も同じ事が言えていて、清潔に保ち、また綺麗な仕事を心がけていきたいものだと思います。

プロフェッショナルとは、職人さんそれぞれの考えがあると思うのですが、こういった本を読むと、自分自身の価値の追求ではないかと思えてなりません。
点と線は始まってまだ6年。あと50年は追求し続けていきたいなと思っています。
例えばファッション業界の川久保玲さんがそうであるように、僕が年寄りになってからも「一番新しくてカッコいい仕事をしているのが点と線だよね」って、20代の若いお客様に感じてもらえたら本望だし、そう考えると現在のまだまだ未熟な自分を恥じるばかりです。



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