One Good Dish by David Tanis


アリス・ウォータースのレストラン「シェ・パニース」で長年シェフを務め、ニューヨークタイムズ紙のコラムニストとしても活躍するデビッド・タニスによる一皿料理のレシピ集。
デイビッドが最初に発表した2冊の料理本『A Platter of Figs and Other Recipes』と『Heart of the Artichoke and Other Kitchen Journeys』は、ナイジェル・スレーターやヨタム・オトレンギといったオーガニック志向のシェフとしての確固たる立ち位置を確立した。 
最新刊であるこちらの『One Good Dish』では、たった1皿の料理が立派な食事になり得ることを示している。



――なぜ、ONE GOOD DISH(1皿のおいしい料理)なのですか?

手の込んだ料理が必ずしも満足のいく料理とは限らない。

私の考えは、素晴らしい食体験を楽しむために無駄をそぎ落としていくということ。

すると、最終的に1皿の料理だけで十分な場合もあるんだ。

なにも『One Good Dish』のすべてが1皿料理のレシピではない。

でも、掲載されたすべてが確実においしい料理ばかり。

それだけで十分じゃないか。 

――あなたの著書には、完成した料理だけでなく、料理の過程を楽しむという共通のテーマがありますよね?

ようは、食事がただの燃料ではないということ。

テーブルでの体験が楽しいものであってほしいだけでなく、それまでの過程も楽しんでもらいたいと思っている。

まずはマーケットに足を運び、熟したトマトを見つけてワクワクする。

そしてこう思うんだ。

「ランチはトマトサンドイッチにしよう」ってね。

食に興味を持つ人が増えているにも関わらず、いまだに食材がどこでどのように育てられているか、その季節に何が旬の食材なのかを知らない人がまだまだ多い。

最近ではファーマーズマーケットで食材を買う人が増えたけど、多くはただ何も買わずにぶらぶら見て歩くだけ。

料理番組を観るだけで実際に料理をしない人と同じだ。

立派なキッチンがあるのに使おうとしない。

私の本は、多くの人にとって実践的なものであってほしい。

作り方は知っているが作っていない料理を実際に作りたいという気持ちにさせ、読者が思っているよりも本当は自身が料理の知識を持っているということを気づかせたい。

そしてその知識に少しばかりのアイデアを提供できればと思っている。 














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