ふしぎの国のバード


19世紀に実在したイギリスの女性冒険家イザベラ・バードの著書『日本奥地紀行』を漫画化した作品。実在した主人公のイギリス人女性冒険家イザベラ・バードが、こちらも実在した伝説の通訳ガイドと言われている日本人男性・伊藤鶴吉と共に、明治時代初期に横浜から最北の地「蝦夷地」へと旅する姿と、旅先で出会った明治初期の日本の文化や人々を描く。当時、日本人すらも踏み入ったことのなく正確な地図・情報すら無い未開の奥地への旅路の記録は読んでいてワクワクするし、この冒険のテーマが「滅びゆく文明の記録」なので、日本人としても当時の今は無き我々の風俗について勉強になり面白い。
巻毎にザックリしたテーマもあるようで、例えば第二巻では日本の風呂文化について描いている。また、この漫画は作品の会話部分の台詞を英語に翻訳したバイリンガル版も刊行されている。バードが目にした日本の風俗に質問し、伊藤がそれに答える様子を、2020年の東京オリンピックに向けて訪日外国人が増えることに重ねて、日本のことを英語でどう紹介するか学ぶこともできる。こちらは英語の勉強教材としても秀逸。


ふしぎの国のバード 1巻 (ビームコミックス)

バイリンガル版 ふしぎの国のバード 1巻 UNBEATEN TRACKS in JAPAN


お店の本棚も入れ替えを行いました。まだまだ漫画紹介続きます。

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