映画とファッションの関係#11 -細雪-

細雪(1983)


巨匠市川崑監督作品、原作は谷崎潤一郎。
「着物が美しい作品ってありますか?」僕は人からこの質問を受けた時は必ずこの作品をお勧めするようにしてきた。
衣装はデザイナーの斉藤育子が担当し、吉永小百合、岸惠子、佐久間良子らそうそうたる大女優の競演が美しく着物を着こなす。当時の関西の上流階級のリアルな着物と洋服の着こなしのシーンは非常にお洒落だと思うし、この着物を和の空間や景観に溶け込ました時の究極の美学を画面の構図で見事に表現している市川崑監督はやはり天才だと思う。
むしろストーリーとか関係なくこの着物の美しさを見ているだけでもあっと言う間に2時間が経過してしまうでしょう。
あとこの映画は何といっても着物の色気ですよね。和服に包まれていても、隠し切れない性的な匂いや色気がこの作品には充満しています。理由のひとつに女優自身が纏う空気もあるのかもしれないんですけど、例えば妹が姉の爪を切るシーンでのひとつひとつの仕草だとか、指先の美しさにウットリするところとか、そういったもの全て含めて女性の色気が表現されているんです。




















































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